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飲食店内装工事で厨房設備と給排水配管の施工順序が重要な理由
COLUMN

飲食店内装工事で厨房設備と給排水配管の施工順序が重要な理由

HARIMA SHOUJI — CONSTRUCTION MANAGEMENT
業種別内装約6分で読めます

飲食店の内装工事では厨房設備と給排水配管の施工順序が工期や品質に大きく影響します。施工会社選びの実務ポイントを解説。

飲食店内装工事で厨房設備と給排水配管の施工順序が重要な理由

飲食店の内装工事は一般的な店舗と異なり、厨房という特殊な機能空間を備えています。そこには複雑な給排水配管、ガス配管、電気配線が絡み合い、設備機器の搬入・設置タイミングが全体の工期を左右します。特にフランチャイズチェーンの多店舗展開では、施工ばらつきが品質管理問題に発展しやすく、給排水配管と厨房設備の施工順序を正しく理解することが、トラブル回避と工期短縮の鍵となります。本記事では、飲食店内装工事で見落とされやすい、配管と設備施工の実務ポイントを解説します。

給排水配管の早期確認が全工程に影響する理由

飲食店では水を多用するため、給水・排水の設計が最も重要な要素です。建物の既存配管がどこに通っているか、どの程度の容量に対応しているかを工事着手前に把握しないと、施工途中に追加工事が発生しやすくなります。

既存建物の給排水位置を調査するタイミング

  • 物件取得・契約前の段階で、必ず建物図面や管理会社から配管図を入手する
  • 図面と現地がズレていることも珍しくないため、実施設計前に現地調査で配管の実走ルートを確認
  • 床下や壁内の配管位置が不明確な場合は、小規模な開口調査を検討

この調査を怠ると、工事着手後に「想定していた位置に配管がない」「容量が足りない」という局面に直面し、配管の迂回工事や既存配管の切り替え工事が発生します。こうした対応は工期延長につながり、特にFC施工では出店スケジュールに支障が生じます。

新規配管設計時の留意点

飲食店の給排水配管は、一般的なテナント内装より設計難度が高まります。

  • グリストラップ(油分離槽)の設置位置。排水管の勾配確保と清掃アクセスが両立できるか
  • 複数の厨房器具(フライヤー、食洗機、シンク等)からの同時排水量への対応
  • 食器洗浄機の給水水圧・湯温管理

こうした要素を見落とすと、試験給水時に排水不良が発覚し、再度配管をやり直すことになりかねません。

厨房設備搬入前の配管完成が必須

飲食店内装工事の進め方は、通常、以下の流れが標準的です。

  1. 躯体・建具工事
  2. 給排水・ガス・電気配管配線
  3. 壁・天井・床の仕上げ
  4. 厨房設備・その他機器の搬入・設置

この順序で重要なのは、設備搬入前に配管が完全に完成していることです。

設備搬入後の配管修正が生じるケース

実務では、以下のシナリオで後戻りが起きやすい。

  • 設計図では配管位置が決まっていたが、実際に設備を配置してみると干渉する
  • 厨房レイアウトの微調整に伴い、配管ルートの変更が必要になる
  • 設備メーカー側の取付指示書を施工中に初めて確認し、配管位置の誤りが判明する

これらは施工会社と設計者、機器メーカーの三者連携不足が原因となります。フランチャイズの場合、FC本部から提示されるCAD図面が汎用的で、現地条件とのズレが生じやすいため、発注元(FC本部または加盟店)と施工会社の事前打ち合わせが一層重要になります。

ガス配管と電気配線の配置順序

給排水と並んで、ガスと電気も厨房の血管です。これら配管と配線のルート確保が遅れると、全体工期が圧迫されます。

ガス配管の施工ポイント

  • 供給元(ビル内供給か、ボンベか)によって配管径・圧力が異なる
  • ガス器具の仕様が確定するまで、配管の最終位置が決定できない
  • 施工後は建築基準法・ガス事業法に基づく検査が必須

ガス設備の検査は、通常は都市ガス会社または液化石油ガス(LPG)事業者の立ち合いが必要です。この検査予約をあらかじめ施工スケジュールに組み込まないと、工期が伸びます。特に多店舗展開では、各店舗で検査申請が別々になるため、段取りの漏れが起きやすいポイントです。

電気配線と厨房設備の連動

  • 食洗機、コンベクションオーブン、製氷機など、単相・三相の電源要件が機器ごとに異なる
  • キッチン内の限られたスペースに多数のコンセント・分電盤が必要
  • 後付け追加配線が難しい造作(天井裏が狭い、壁の奥行きが限定的など)では、事前設計がより重要

フランチャイズ施工で配管・設備施工を統一するための工夫

FC本部が複数店舗を同時展開する場合、施工会社の選定と施工管理体制が、工期・品質・コスト面で大きく影響します。

施工会社への仕様書作成

  • 給排水配管・ガス配管・電気配線の標準ルート図を作成し、全店舗で統一
  • 「〇〇の高さに配管を通す」「シンクの排水は壁内を通す」といった具体的な施工指示を文書化
  • 施工会社の経験差による配管位置のばらつきを防止

標準化されていないと、A店では天井裏、B店では壁内、C店では床下というように、同じ厨房機器でも給排水ルートが異なる事態が生じ、メンテナンスや機器交換時の対応に支障が出ます。

現地調査と承認プロセスの確立

飲食店の内装工事では、テナント建物の既存設備が店舗ごとに異なるため、実施設計前に必ず現地調査を入れることが標準です。

  • FC本部・施工会社・機器メーカー(または代理店)の三者で現地を確認
  • 既存配管の位置・容量と設計案の整合性を図面上で確認
  • 変更が必要な場合は、その時点で判断し、設計図面に反映

この段階で手間をかけることで、後工程でのトラブルや工期延長を大幅に削減できます。

試験と検査の段取り

  • 給排水試験(通水試験):配管工事完了直後に実施し、漏水がないか、排水勾配が適正か確認
  • ガス配管検査:ガス事業者による立ち合い検査の申込を事前に予約
  • 電気配線検査:建築確認が必要な場合、検査機関の立ち合いをスケジュールに明記

原状回復時の配管撤去で追加費用が発生しやすい

飲食店は営業終了後、原状回復工事が発生します。このとき給排水配管の撤去に予想外の費用がかかることがあります。

  • グリストラップの清掃・撤去:油が固化していると手作業量が増える
  • 床下や壁内の配管撤去:周辺設備や建物躯体を傷つけないよう慎重に施工
  • 既存建物の配管への復旧:新規配管接続部の切断・整理に手間がかかる場合がある

原状回復工事サービスでは、こうした配管撤去の実績と経験が重要です。見積段階で「配管撤去は別途」という曖昧な記載をされると、後々トラブルになりやすいため、具体的な工法と労務内容を確認してから契約することが重要です。

施工会社を選ぶときの実務的なポイント

飲食店内装工事で信頼できる施工会社の見極めは、実績と施工管理体制に尽きます。

  • 同業種(飲食店)での施工実績が豊富か。厨房設備と配管の関係を理解しているか
  • 給排水・ガス・電気の配管・配線に関する資格を持つ職人が在籍しているか
  • FC本部や多店舗展開企業からの受注経験が有るか。施工管理の標準化ができているか
  • 現地調査から試験・検査まで、一連のプロセスをスケジュール化できるか

店舗内装工事サービスを提供する施工会社であれば、単なる「内装デザイン」だけでなく、配管・設備の施工管理を一体で進められる体制が理想的です。FC本部向けサービスとして複数店舗同時施工に対応した企業は、ばらつきを抑える仕組みを持っている傾向があります。

まとめ

飲食店の内装工事は、給排水配管・ガス配管・電気配線と厨房設備の搬入タイミングが全工程を左右します。特にフランチャイズチェーンの展開では、施工会社の選定と現地調査・設計打ち合わせを通じた事前準備が重要です。既存建物の配管位置の早期確認、標準設計図の作成、試験・検査のスケジュール化といった基本的な段取りが、工期短縮とトラブル防止につながります。飲食店の内装工事経験が豊富な施工会社に相談し、配管と設備の施工順序を含めた詳細なプランを立てることをお勧めします。

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